インド絶体絶命。インド人なんて嫌いだ。後編

「あそこだ。あそこ行って聞いてみろ。」
そういうとおじさんはさっさと行ってしまった。あそこというのがイマイチ曖昧だったが、指示してくれたらしきところへ向かった。
しかし途中で止められ、色眼鏡をした小柄のおじさんが声をかけてきた。「どこへ行く?あそこはステイする人しか入れない。」よく意味が分からなかったが、チケットも何も持っていない俺は入れないらしい。
「どうした?」
「ジョードプルへ行きたいんですが。」もう何度このセリフを口にしただろうか。
「だったらツーリストオフィスへ行け。」
「もう行ってきた。でも値段が高すぎて戻ってきた。」
「だったら政府のやってるツーリストオフィスへ行ってみろ。ここなら安心だ。紙を持ってるか?」
紙を渡すとさっきの親切なおじさんと同様に、詳しく説明して紙に記載してくれた。
「トゥクトゥクは政府の認可してるものに乗れ。フロントにステッカーが貼ってある。」
「わかるかな...」
そういう素振りをするとおじさんは着いてこいと言ってトゥクトゥクまで案内してくれた。
少しこわい見た目とは裏腹にこのおじさんもすごく優しかった。
トゥクトゥクに乗ってITDCという政府がやっている?ツーリストオフィスへ行った。
しかしここへ来て聞かされた話はとんでもないものだった。
なんでもかなり大規模なストライキが起きたらしくその影響で運行予定だった電車が1000以上もキャンセルになったそうだ。だからニューデリー駅もインド人で溢れかえっているそうだ。それに加えて今の時期は帰省ラッシュが激しいらしくその影響もあるとか。
「デリーさえ出てしまえば電車のチケットが取れる。だからまずは車でアーグラへ行け。ドライバーを手配してアーグラからバラナシ、ジョードプル、ジャイプール、そしてデリーに帰ってくるチケットを手配してやる。」
「でも、高いですよね?」
オフィサーは電卓を叩いて言った。
「これでだいたい27000ルピーだ。」
「高い!高すぎる!」
「じゃぁどうする?」
「わからない。とりあえずデリーに泊まろうかな。」
「ストライキの影響でデリーのホテルはどこもやってないぞ。もしデリーに泊まるとなると最低一泊600$はかかるだろう。」
は?ありえない。話に寄ると安宿は全てやっていないという。
信用できなかった。そもそもインド人なんて信用しちゃいけないんだ。そう思ってどうしたものかと悩んでいるとオフィサーはさらに続けた。
「デリーは今最悪な状況だ。夜になればまた治安はさらに悪くなる。今日出た方がいい。どのみちデリーにいるとなれば更に高い金額を払うことになるぞ。」
本当なのだろうか。ネットが使えないだけに真相を確かめようがなかった。
「パソコンを貸してくれ。アゴダがみたい。」
「ダメだ。このパソコンは私用では使わせてやれない。だから言ってるだろ。安い宿は全てやっていない。」
しかし最初に行ったツーリストオフィスよりも高い。戻るか。そう言う話もした。しかしなんとしてもここで買わせたいのだろう、更に脅しをかけて来た。
「そんなチケットどういう電車かわかったもんじゃないぞ。実際席はもう埋まってるんだ。ちなみにここは17時に閉まる。今出てしまったら戻ってきてももう空いてないぞ。」
時刻は既に16:30。完全に戦意喪失してしまった。諦めざるをえなかった。
「ならジャイプールは諦める。もっと安くならないか。」
「電車のチケットなんて値段はしれてる。高いのはデリーから出るための車なんだ。ジャイプールを外しても25000ルピーにしかならない。」
微々たるものだが今の俺には2000ルピーも惜しい。
正直すぐにでもデリーからは出たかった。重たいバックパックを背負ってハエとゴミとインド人にまみれたデリーを歩くのは地獄のようだった。
「じゃぁそれで頼む。」
そう言うとオフィサーは嬉しそうに契約成立の握手を交わしてきた。
早速インドが嫌いになりそうだ。1番安く済むと思っていた国で初っ端からとんでもない出費をしてしまった。
しかしこんなものはまだ始まりに過ぎなかった。             H.N.T.

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