世界一周インドの旅 その2

目が覚めたら時刻は6:48だった。
7時の待ち合わせだったので慌てて着替えてロビーに出た。
ラウールはロビーで待機していた。
3月上旬のアーグラの朝は少し冷え込んでいた。アウターを羽織って早速車へ乗り込んだ。
タージマハルの近くに車を駐車するとラウールがチャイを勧めてきた。
冷えた朝のチャイはまた格別なものだった。チャイを飲んだらそこからは歩いてタージマハルへ向かった。
受付で750ルピーを支払うと1本の水とタージマハルの中へ入る際に必要な靴カバーをくれた。
カメラだけ持ってタージマハルの写真を撮っているとラウールが俺が撮ってやると言ってたびたびタージマハルを背景に俺の写真を撮ってくれた。俺はあまり写真を取られるのが好きではないのだが、せっかくだったので何枚か撮ってもらっていた。
全て大理石で造られているタージマハルの建築はそれは美しいものだった。やはり入場料の750ルピーは高い気がするが。
1時間程みてタージマハルを出てきた。
「チェックアウトは11:30だ。朝が早かったから朝食を済ませたらチェックアウトタイムまで部屋でゆっくりするといい。またロビーで待ってる。」
ラウールにホテルまで送ってもらい朝食を食べにホテル2階にあるレストランへ入った。
ブレックファーストメニューにはしっかり値段がついていたので宿泊費に含まれているのかオーダー前に念のため確認した。3つの中から1番高いAmerican Style(140ルピー)の朝食を頼んだ。
別に高いからそれにしたわけではない。それが1番美味しそうだったからそれにしただけだ。と、言い聞かせつつも、ケチさが滲み出る選択だった。
朝食を済ませチェックアウトの時間まで部屋で過ごした。
チェックアウトを済ませ車に乗り込むとラウールが今日の予定を話してきた。
「これからタージマハルに使っている大理石の工場に連れて行ってやる。そのあとアーグラフードを食べに行こう。」
大理石の工場。全く興味がなかったし、インド人の事だ、少し嫌な予感がしていた。
まぁいいか。1人では絶対行かないであろうところだ。せっかくだし行ってみよう。
工場に着くとガッツリ大理石のお店に案内された。やっぱり。と思った。
大理石の店の男は椅子に座らせると早速、石の説明を始めた。
「ここの向かいが工場になっている。ここは全てタージマハルに使っているものと同じものだ。私たちは国の認可のもとやっていて、タージマハルが毎週金曜日に閉まるときは我々がクリーニングをしているのだ。」
そんなようなことを言っていた。とりあえずここが本家タージマハルの大理石ショップだということをアピールしたいのだろう。特に興味はなかったが。
そして小さな機械を使った石を削ってデザインを形成するデモンストレーションを見せてきた。
ここからが本番だ。説明が終わり席を移動すると実際の大理石の商品が出てくる。コースターに小物入れ、小さなテーブルなど様々だ。
「これらは最高の土産になるだろう。大理石はとても高価な品物だがここは工場だ。国の認可が降りている場所だからTAXも一切かからない。だから他の店に比べてかなり安く買えるんだ。」
全然要らなかったし買う気もなかったが、一応聞いてみた。
「いくらなんだ?」
「これらの商品は石の使う数で値段が決まる。花などの細かい柄をあしらったものは値段が上がる。このコースター7点セットで7500ルピーだ。」
鼻で笑いそうになってしまったところを堪え、へー、いいね。というリアクションをとった。
「どれがいい?どのデザインが好みだ?お前は日本人だ。日本人はいいやつだから安くしてやる。欧米人にはもっと高く売るがw」
そう言ったのは別の太っちょな日本語ペラペラのおじさんだった。
うそつけ!日本人をカモにしまくってるくせに。そもそも日本語がペラペラのインド人なんてロクなやつはいやしない。と、言いたい所だが黙って苦笑いをしながら聞いていた。
彼は日本でも仕事をしていて奥さんは日本人だそうだ。
「このデザインが1番好きかなー。」
買う気もないがとりあえず乗っかって答えた。
「いくらがいいお前のベストプライスを聞かせてくれ。」
値段交渉が始まった。
「いや、こんなものを買う余裕はない。今長旅の途中なんだ。まだこれから色々な国へ行く。お土産を買ってる余裕はないんだよ。」
「荷物が邪魔ならここから日本へ送ってやることもできるぞ。」
「そういうことを言ってるんじゃない。金がないんだ。」
何度かこういうやりとりを繰り返したのち、店員も諦めて次の行動に移った。
「よし、ならチャイはどうだ?」
そう言うと俺を奥の部屋へ案内し土産物のチャイを棚からいくつも出してきた。
インド人とは本当にしつこいものだ。
俺はきっぱりと答えた。
「いらないんだよ。」
「現金がないならカードだって使えるぞ?円でもドルでもいい。」
こいつは本当に俺の言っていることを理解しないやつだ。
「お前たちは俺が言ってる事を全く理解していない!いらないんだよ。そんな余裕はないんだ。」
すると太っちょのおじさんが日本語で言ってきた。
「長旅なら買えないのも無理はない。」
やっと諦めてくれたようだ。
そして何も買わずに外へ出ると、ラウールが待機していた。ラウールにも多少腹が立ったが一先ず置いておこう。おそらくここで俺が何か購入するとラウールにも紹介料みたいなものが入るのだろう。しかしそうはいかない。こっちは既に25000ルピーも払っているのだ。
これ以上無駄遣いをしてたまるか。
車に乗るとアーグラフードを食べに行くかとラウールが言った。
待てよ、と思った。ラウールが勧めてくるとこはそこそこ高い上に昨日もラウールは夕食の代金を払っていないようだった。
そうやって自分のテリトリーに引き込んで金をもらっているのか。そうはいくか。ラウールに尋ねた。
「そこは安いか?」
「250ルピーはするだろう。金がないなら両替に寄って行くか?」
そういうことを言ってるんじゃない。イラっとしたがそこは抑えた。
「俺はこの先もお金が必要なんだ。だから今はお金をセーブしなきゃいけない。もっと安い店に連れて行ってくれ。今は10ルピーだって惜しい。」最後のセリフは英語で表現する力はなかったので言っていないが笑。そう言いたい気持ちだった。
そういうとラウールはわかったと言って安いご飯屋へ連れて行ってくれた。そこで80ルピーのフライドライスを食べお腹を満たした。これなら!と思って頼んだフライドライスはきちんとカレー味だった。やはりカレーか。。大して美味くもなかった。             H.N.T.

0コメント

  • 1000 / 1000